モール

短編の小説を中心に載せてゆく予定です。「モールのなかの暮らし」をコンセプトで、ショッピング・モールの小さな物語を集めます。終わりがあるのかは解りませんが、完成次第、発表していきます。

オールド・フィッツジェラルド

ふたりはいつもの様に座席の一番奥に座り、レモンの酎ハイを二つ頼んだ。今日は木曜日なのにほぼ満席で、隣の中年の男性は「パパッと出来るはずの枝豆が遅い」と愚痴をこぼしていた。工藤はスーツのジャケットを脱ぎ、肩に散らばったフケを払い落とすと、連…